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■ コ ン セ プ ト ■ この展覧会には二つの目的がある。 まずはタイトルの通り、日本において歴史ある「しつらえ」の美意識と、欧米からの輸入概念としての「アート」(現在の日本の美術表現に溶け込み、独自進化しているものとして扱う)を融合させるために、〔near〕のギャラリー空間に象徴的に存在するL字のコーナーにわたる展示台を「床の間」に見立て、壁面には平面(絵画)作品を〔near〕のディレクター・延近氏が選出。それに対する置物としての陶器・オブジェ類を〔白白庵〕主宰・石橋が選出し、最終的には現場でしつらえを完成させる。 これは日本の若い世代にも「しつらえ」という個人主体の美の遊び心を知ってもらいたいと考えるだけでなく、洋の東西を問わず良いと思うもの、美しいものは何らかの見立てによって自由に組み合わせて楽しむことが出来る(許される)と言うメッセージを投げかけたいとの考えである。 もう一つの目的として、京都における世代間の交流・交感が挙げられる。一時期を築いた〔neutron〕を通じて活躍し、今まさに全国各地に活動の幅を広げる平均年齢30歳代~の作家達と、その〔neutron〕が試みた京都における若手アートの発掘及び発信の志を継承し、着々と力を付けている〔near〕に集まる若き作家達(平均年齢20歳代~)が、制作ジャンルを超えて(前者は陶芸作家、後者は平面系作家を選出)エネルギーをぶつけ合い、モチベーションを高め合うことを促進しようとするものである。 会場ではそれぞれ6名づつ選出の作家による1対1(作品は複数の場合あり)の「しつらえ」をギャラリーの最長壁面に沿って6ヶ所設け、緊張感溢れる見せ所とする。 それだけでなく、会場内の一角及び店内反対側のミニギャラリースペースでは、やはりお互いの作品を上手く対照させながら、小作品及び陶器の販売を促進する。 かつて日本人が誇った見立ての美、しつらえの楽しさを、これからの時代にも通用する普遍的で重要なな価値観であると確信している。 対峙する作品同士が放つエネルギーの共鳴と反発によって、日本の美術表現の根源に潜む何かを感じることが出来るのではないだろうか。 私もまた、会場でそれを見てみたいと期待するばかりである。 石橋圭吾(有限会社ニュートロン 代表取締役/白白庵 主宰) 【gallery near 選出作家】 ・池原悠太 http://blow-works.com/gallery/artist/ikeharayuta_t.html ・田中加織 http://blow-works.com/gallery/artist/tanakakaori_t.html ・谷口朋栄 http://blow-works.com/gallery/artist/taniguchitomoe_t.html ・寺脇扶美 http://blow-works.com/gallery/artist/terawakifumi_t.html ・宮田彩加 http://blow-works.com/gallery/artist/miyatasayaka_t.html ・林葵衣 http://blow-works.com/gallery/artist/hayashiaoi_t.html 【白白庵 選出作家】 ・かのうたかお http://blow-works.com/gallery/artist/kanotakao_t.html ・津田友子 http://blow-works.com/gallery/artist/tsudatomoko_t.html ・田村一 http://blow-works.com/gallery/artist/tamurahajime_t.html ・金理有 http://blow-works.com/gallery/artist/kimriyoo_t.html ・篠崎裕美子 http://blow-works.com/gallery/artist/shinozakiyumiko_t.html ・船戸あやこ http://blow-works.com/gallery/artist/funatoayako_t.html |