neutron Gallery - 中川貴司 展 『白と黒のグレー』 - 
2003/12/16Tue - 21Sun 京都新京極 neutron B1 gallery

あらゆる写真は常に何かを発し続け、見い出される時を待っている。
今回二人展を開くにあたり、私達は偶然にも同時期に、同じ興味の方向性を 持っていた。
2003年夏、この意味があるともないとも言える時間を生きる両者の 共通項(認識)を探る事、それは同時代を生きる私の生の普遍性を探る事に 他ならないと考えた。


 

白と黒のグレー

展覧会開催にあたって
あらゆる写真は常に何かを発し続け、見い出される時を待っている。
今回二人展を開くにあたり、私達は偶然にも同時期に、同じ興味の方向性を 持っていた。
2003年夏、この意味があるともないとも言える時間を生きる両者の 共通項(認識)を探る事、それは同時代を生きる私の生の普遍性を探る事に 他ならないと考えた。
かつて誰かによって写真化された世界が、今を生きる私の同時代的な何かを 喚起する事を確認する。
そして、ある写真から喚起された自分を基点にして意味を考えながらも、 その写真の歴史的解釈から解放され、写真を本来の姿で機能させたいと思う。
それは、私によって意味を寄与された世界の解体をも意味するのかも知れない。 私の意図を超えてどの様にでも解釈可能な世界のあいまいさ、 物語化を拒否する裸の世界と対峙する時、私はとてつもなく自由だ。
あるいはそこからまた新たな物語の呪縛が始まるとしても、 永遠にリセットをくり返す事は可能だ。




comment
gallery neutron 代表 石橋圭吾

今年も、この季節に中川の作品を見ることができます。
しかも中村という盟友と二人での、モノクロームの写真世界。
コラボレーションと言うよりも、あえて「二人展」と言っていいと思います。
お互いのスタイル、経歴・活動を超えた部分で繋がってのイメージは
あえて昨年と同タイトルの展覧会名にした訳がはっきりと見えるほど
極めて密度の濃い内容になることでしょう。

イメージの定着としての写真作業の末に、あえて普遍性を求めてのイメージの提示。
ここに写るのは、この不安・不透明・不思議な世の中における「グレー」の存在そのものであり、
作家自身の存在であり、それに向き合う我々を映し出す鏡でもあるのです。
ストイックな画面と漂う色気。モノクロのダンディズムをお楽しみ下さい。