【 作家、作品紹介 】
先ず、私が創作するにあたって最も大切にするものがモチーフの『光（太陽）』と『物事の根源を現す』である。
光というモチーフは作品によって変化する。最も特徴が顕著に表れている作品は絶対的な対象からの恩恵の光である【beat(鼓動）】、身体の感覚的に感じる光の【sunny】、自信が光の一部として画面に現れる【morning star】である。
何故『光』がモチーフか。そもそもモチーフにした『光』とは何か。
私が絵を描き続けるにつれ大きな疑問を持ち始めた。それは私が勉強するにつれ、建築や商業デザイン等に比べ社会性の弱さを感じ取ったのをきっかけに芸術というものの社会に対しての在り方を考え始めた。この頃がビジュアルのみを求めた時期から”何”を絵で描くか考え始めた時期であり、と同時に物事の根源を堀下げ作品に現したいと思った時期である。
現在の作品の大多数に使われている『アフリカ』はこの時に出会った答えの一つである。
一言では誤解を生みまた、言い表せないが、成立しなければ排除されるという一面。人間の生き死にもが大地と平行して移り行く時間性、根源的な力が当時の僕に新たな視点をもたらした。
この時期に描いたのが【縦の構成】である。この作品は行動を起こした者のみを光が照らし出すといったシーンを描いたものであり、テーマは『人間性の確立、そして達成へ』であり、それがより宗教的になったものが【beat（鼓動）】である。この作品には『神の恩恵』という要素が大きくなっている。そういう点からみて【sunny】は光が主観的な作品、客観的な視点が【morning star】となっている。
以上の観点から私にとって太陽というのは万物の源で、絶対的な存在を表しその光に包まれた絵画は『存在が確立された』瞬間を切り取っている。
山本昇平
