今年もまた、映像の祭典がやってくる!
アニメーション、ドキュメンタリー、ドラマ、ミュージッククリップから実験映像 まで、幅広いジャンルに未来の巨匠の卵から意欲作が続々出展!
5階では坂田佐武郎によるアニメーションとその原画を紹介、独特の浮遊感あふれ る印象的な映像詩を多角的に感じることができるでしょう。地下ではお馴染みの作家をはじめ多種多才なメンバーによる力作を一挙上映!
毎日プログラム上映しますので、気になるプログラムを都合の良い時間帯を選んで チェックして下さい。
gallery neutron 代表 石橋圭吾
今年もまた、素晴しい上映会を開催できる季節がやって来ました。 2001年から数えて、4回目となるこの季節の映像上映会は、昨年と同様に、 コンテストではなく映像作家とその作品を紹介することを目的とします。 ニュートロンが年を重ねていく毎に成長するのと歩を合わせ、映像を志す作家達も 毎年着実に実力を付け、レベルの高い作品が集まる様になってきました。 今年は特に、例年のような長篇のゲスト出品は無く、ニュートロンが普段企画する 作家達を中心に据え、一般の公募、学生選抜などからプログラムを編成します。 これは、ニュートロンが日々掲げる「京都から発信する」という理念に基づき、 若くてキャリアが浅くとも大きな可能性を秘め、素晴しい作品を生み出す作家を 一人でも多くの方に知って欲しい、観て欲しいとの気持ちがあるからです。 そういった意味で、ミニシアター等で行われる「知る人ぞ知る」特集上映とは趣を異なり、 あくまで「ギャラリー」として、各方面の方々に公開することを最大の意図とします。
この企画段階では新作及び出展作は手元に届いておりませんので完全なる出展者は 発表できませんが、ここでは出展予定作家の中から3組を紹介します。
石井貴子は、音楽と深く繋がりつつ独自の映像表現を探求しています。 イラストレーション、グラフィック、実写など様々な要素を取り入れて 実験的かつ情緒的な詩世界を展開し、それはまさに「映像で語る」という言い方が相応しいでしょう。 来年の春に卒業、就職を控えていますが、この秋も精力的な活動を行い、 次世代の映像クリエーターの中でもますます注目を浴びていくのは間違い有りません。
林勇気は、既に現代美術のフィールドを中心に評価を集め、海外にも出展を経験するなど 作家としての活動、スタンスは完成に向っています。 彼も音楽との関わりは深く、「tropfen」というクリエーター集団を結成し、 そこでは音響音楽と映像を中心に多角的な展開、イベント等を行っています。 この秋に京都のギャラリー三条で開催される個展も楽しみです。
村井美々は、出展者の中で最もポピュラーな存在かもしれません。 特筆に値するのはその多方面からの支持であり、昨年の活動、受賞歴は目を見張ります。 今年は発表の機会こそ減らしたものの、相変わらずの精力的な制作意欲は衰えることなく、 4月のニュートロンでの個展ではマグネット式玩具を用いた作品で話題を呼びました。 彼女もまた、今後のさらなる飛躍が注目される代表株であります。
そして、この期間、5階のギャラリーでは新人の坂田佐武郎による個展を開催します。 彼も本編に出展する作家でありますが、その詩的世界観、表現力は特筆に値し、 この度は「INFANT」「Diver」の2作品をモニターで上映しつつ、原画を展示する形式で 淡々と静かに流れる気配、日常に潜むふとした情感を描く彼の作品性を発揮します。 また、新作では既にイラストのアニメーションから離れ写真コラージュや実写も取り入れ、 映像作家としての表現の幅は見事に広がっていきます。 今回の個展で見せるのは、彼のドローイング的世界とも言えるかもしれません。
このように、各作家にスポットを当てつつ、全体ではバリエーション豊かで 新鮮、先鋭的な内容が揃う事でしょう。 アートドキュメンタリーの分野からも数作品出展され、注目です。 未来の巨匠を発見し、未知なる映像世界に身を委ねて頂ければ幸いです。