オーストラリア出身、日本に住んでアーティスト活動を行うサイモン・ファロミア。 彼の陶磁器を使ったユニークな立体作品を中心に、彼の仲間達による作品も展示。『京都議定書』を批准しないオーストラリアとアメリカの政府を批判しつつ、オーストラリアと日本のアートの交流に一役買う。
gallery neutron 代表 石橋圭吾
今回ご紹介するのは、オーストラリア出身で現在は大阪に住む立体造形作家サイモン・ファロミアと母国オーストラリアのユニークな作家達、そして日本で親交のある作家達です。 通常の個展と異なり、会場を多く埋め尽くすのはサイモンの後に続く彼らの様々な作品群であり、それらに囲まれるようにしてサイモンの陶磁器による不思議な造形物が佇みます。
彼らは地球温暖化への対策を講じる術としての『京都議定書』に対するオーストラリアとアメリカの態度を批判し、地球規模の視線を投げかけようと試みます。サイモンの作り出す造形は一見してサイバーなフィギュアとしての印象も受けますが、実は化学と自然との間に姿を現す精霊の姿でもあり、恐ろしくも可愛らしくも見えるのです。
この展覧会は決して政治的スローガンを掲げるために開催するものではありません。アートという共通言語を通じて、身の回りの出来事に関する考察や表現を促進し、私達の住む地球を理解し、人間の営みを理解する一つのきっかけにでもなれば、と思うのです。