neutron Gallery - 大和 由佳 展 - 
2003/12/8Mon - 14Sun 京都新京極 neutron 5F & B1 gallery


Artist , Works

【 作家、作品紹介 】



 


コンセプト
私は、都心からは少し離れてはいるがそれなりに便利のいい住宅街で育った。 大きな山や海が近くにあるわけでもなかったので私は自然に囲まれて育ったようには 考えていなかった。
しかし人のうちの庭に植えられた妙においしそうな実をつける木や家の前につもる落 ち葉、網戸にとまる季節外れの黄色い蝶、通学路の途中にある雑木林の奥に見える小 さな暗い沼‥‥今から数えればきりのないほど常に生活と「自然」は一緒にあった。 きっとどのような生活にも「自然」はあらゆるかたちで浸透しているのだと思う。

制作するようになってからあらためて自分のまわりの「自然」をよく見るようになっ た。木洩れ日や空、水、花などとどまることない姿で現れる存在が、自分のまわりに は常にあることに気付いた。最初はあっけにとられるようにしてそういうものと見て、 そのうち自分は絵を描くのでこの枝の線かっこいいなあと眺めるようになり、そのう ちその枝の意志のことなんかを考えだすようになっていた。
そういう見方は勝手な感情移入かもしれないし、そこには正解もないのでどこまでも 仮定や予感にすぎない。が、それだけに自分の気持ちをさしだすと「私」という中心 はすっかりなくなりあらゆるところに拡散するようなかんじがした。
しかし、同時に体とか心とかには意志があるので、そしてなにより体はひとつの「か たまり」なので、そういうとめどもなく変化する広がりや色づきを体のなかに抱え込 んだままにしようと、さらにその「かたまり」をかたくする感じもあった。

その二つのちからのかかっている一つの場所を肯定したいと思うことが作品をつくる ことに深くかかわっていると思う。