パラパラマンガ・アニメーション「み゛。」でお馴染みの木原が久しぶりに個展 を開催。今回は得意の「マンガ」にこだわり、スピード感とセンス溢れる笑い満載。 果たして彼の「落ち」に付いて来れるか!?
gallery neutron 代表 石橋圭吾
今回ご紹介する木原は、マンガ(コママンガ、版画マンガ)というスタイルで説明するには少し違和感が有り、かといってイラストレーターと言ってしまうのも気が引ける。 何より彼の独自の手法で制作されたアニメーション「み゛。」は、その描きなぐられたような筆跡とアグレッシブな動きによって相当な評価を得るに至ったのだが、その手法はいわゆるジャパニーズアニメーションの流麗で繊細な技法とはかけ離れた、「パラパラマンガ」的な撮影方法によるシンプル且つ雑なものであった(良い意味で)。 残念ながら大学を卒業以来、撮影環境に恵まれない彼はアニメーションを制作するには至っていないが、前述の「マンガ」たる芯はそのまま活きている。ストーリーマンガなどは死んでも描かないであろう、瞬発的でダイレクトな展開と「落ち」。不思議と不条理が美しく融和する画面。何より、1コマが極めて緻密に計算されたかのように、バランスが良い。 おそらく天性のものでは有るのだろうが、現在のところ彼が発揮出来る領域は平面に留まっている。これを機に、表現者としての欲と、環境を手に入れる努力をしていこうという気になればいいのだが・・・。