neutron Gallery - 安だちけい子 展 『Micro / Macro Cosmos Exhibition』 - 
2004/5/3Mon - 16Sun 京都新京極 neutron B1 gallery


Artist , Works

【 作家、作品紹介 】

 今回の新作は1996年に発表した本人の実験撮影による染色体写真が基本になっている。当時、ヒトゲノム解析が世界中で盛んに行われていた。2003年4月現在の技術でヒトゲノムの99%(精密度は99.99%)で、最終段階の解読が完了し、その塩基配列は公開され、科学者がどこにいても自由に無料で情報を入手し、それを次の発見に役立てる事ができる様になった。今回の企画展では染色体による具現化した自己及び生命科学のポートレートのリメークと新作をつくる必要性を感じた。
  表現としてはヒトの血の色のシンボリックな色として赤の全身タイツを装着した作家本人による身体表現によって、基本になる染色体を独自に表象する。それをデジタルカメラで撮影し、初歩的なCG加工を用いて実験的に1996年の写真と共に展示する。それにより、現代社会の中でのテクノロジーの変容をポートレートとして表現することも意図としている。それはテクノロジーと生命の関係性をも具現化していないだろうか?

今までの作品紹介
  私の創作活動は写真、映像、平面、インスタレーション、パフォーマンス、ファイバーワーク(繭、絹、和紙を主とした)、繭プロジェクトなど表現形態を変えながらも統一したテーマを持つ。それは、「生命とは何か?自然(他生物)とヒト、他者と自己のつながりの関係性」を問いかける点にある。
  その基盤として、大学で生物学を研究して学び、後に哲学、文化に触れた事などが芸術を追求するスタンスに影響している様に思われる。
  なお、繭プロジェクトは1997年に設立し、繭の存在を独自の視点で見つめ続け、観客に対して五感で楽しめるインスタレーションを目指しながら、現在も活動を続けている。