各分野から「墨」の使い手が集まり、多彩な作風で墨の持つ表現力を見せる。今回は高橋良が初参加で、女性のエロスを描きあげる。情緒溢れる季節、墨の香とエネルギーに満ちた展覧会になることでしょう!
gallery neutron 代表 石橋圭吾
昨年、京都恒例の祇園祭りに合わせて開催したのが、この第1回目の企画で 今回は好評につき第2回目の開催となります。 単に伝統的な書や墨彩画を集めた、というのではなく 若手もベテランも交えて「墨」を自在に操る作家をコーディネートし、 それをフラットに提示することによって「墨」本来の可能性の深さと 各アーティストの相違・創意を楽しむことに主眼を置いています。
游墨は書家とプロデューサーから成る異色のユニットですが 墨を操る実力は折り紙付き。もちろんカリグラフィとしての表現も 最も楽しませてくれる作家でありましょう。 プロとしての活動も展開中の游墨は、アートとデザイン、書を結び付ける 楽しみな存在で有ると言えます。 宮島亜希は、現在東京でのイラストレーターとしての活躍が目覚ましいですが 墨を使ってのシンプルで印象的な女性画でも人気が有ります。 その作風は一貫して女性のエロスと美を追求しており 同世代の厚い支持を集め、各方面での活躍が期待されます。 峯彩呼は、今回の参加者の中では最も異色かも知れません。 彼女は墨を使った平面の仕事の他に木やセメントを使った立体作品、 あるいは色彩豊かな絵画作品も発表します。 どれも実は根本で幽玄的な世界を形成しており、繋がっているのですが 観る側にしてみるとそれぞれとてもユニークで、別個のものとしても 楽しむことができるのです。 現代美術の分野での活動を展開中で、ニュートロンでの企画個展も注目です。 そして高橋良は大阪を中心に勢いの有る活動を展開する若手で、 女性を主とした人物画、鳥獣戯画のような風景など 非凡な画才を見せつける、期待の新鋭です。 これらの出展者の意欲的な作品がずらりと並び、墨の香が漂う、 風流でアグレッシブな展示となることでしょう。