【 作家、作品紹介 】
線を増殖させたい。
線を拾ったり、なぞったり、進めたりして、うめ尽くして画に起こしたい。そして又、伸ばしていきたい。 私には、こういう癖のような衝動がある。中学生の頃、授業中にノートの隅に落書きを描いた。それをどうしてもノート一面に覆いたくなった。それからもう、授業は関係なくなってノートの落書き対自分だけの戦いになった。その時の不思議な感覚が、今に繋がっているのだろうと思う。
風景の中に物体が在ることによって、空間とモノが、依存し合っているように感じることがあります。
私は画面の中にその状態を押し出したいのです。空間の中で起こる気配の散漫さ、もしくは方向性や集合性に溢れた場面等、モチーフによって様々な表情が起こり得ます。空間の中にある、静と動の分離や結合を通して増殖する線と、モチーフとのダイレクトな関係を絡み合わせて行きたい。