【 作家、作品紹介 】
水たまりに映る光で、空を感じる。 石を手にとり、地球という星のかけらだと感じる。 海や山に太陽が沈むのを見て、広い宇宙を感じる。
四面を囲む大画面。そこに立つことにより、何が見えて何を感じてもらえる だろうか。 見えていなかった世界が見えた瞬間、見えているものの真実を感じた瞬間、 人はどう思うのでしょうか。
私は、いままで比較的大きな作品の制作を続けてきました。 それらの作品は、(それはサイズの大小に関わらず)全てその画面の中だけ で完結するものではありませんでした。というのは、本当に表現したいのは 作品という目に見える実ではなく、目に見えてこない虚の部分だからです。 一つの画面をとりあげても、その中に具象的なイメージをとらえにくいかも しれません。しかし、大きな意味での具象的存在の一部に触れていると思っ てもらえれば良いと思います。また、画面を構成している粒子の一粒一粒も、 具象として存在してほしいと思っています。それは、まるで自然の砂や空気 や水滴と同じように。
今回は、ギャラリー空間の四面にイメージ上でつながった絵をそれぞれ配置 します。その画面のモチーフは水平線のような境界線。それらで空間を囲む ことにより、その線が円になり、またその作品世界と空間で大きな無限に広 がる球体へ繋がればと思っています。 Exhibitionタイトルは、「真界」。
会期中2日にわたり有木 純一氏作曲による音楽とのコラボレーションの公演 も行います。 空気の表現、Air Art と題していますが、より五感に訴えかける時間にした いと思っています。