【 作家、作品紹介 】
一つの問いがあるとします。そして答えがあります。
“はい・いいえ”しかない世界と、“どちらでもない・どちらもある”世界があると思うのです。 私は後者でした。そして反対側の世界を見たいと思った時に、二つの間の境界があることを 知りました。 境界上には何があって、何が見えるのか、そこにとどまることはできるのか。 しかし、そこはただ二つの世界の境目、です。 互いを覆う膜のようなものがあるだけだと思います。 例えば、皮膚のような。 皮膚に触れることは、境界に触れることになるのでしょうか。
しかし、境界を見ようとするあまり、本体がみつかりません。 縁取りだけの世界ができているように感じます。
まさにセミの抜け殻のような世界です。
入れ物のようです。
抜け殻だ、と認めることができれば境界は見えてくるのでしょうか。