neutron Gallery - 重岡由起 展 『Cara』 - 
2004/10/12Tue - 17Sun 京都新京極 neutron B1 gallery


Artist , Works

【 作家、作品紹介 】

文字をモチーフとした作品を制作しています。 文字は誰もが知っている身近なモチーフであり、何かを伝えるコミュニケーションツールのひとつです。それを違う手法で使ってみたらどんな作品ができるだろうかと考えています。

私は、人に文字を言葉の意味でもって何かを伝えるよりも、文字の決められた形を違う形に構成しなおし、もっと感覚的、視覚的、絵画的なアプローチで何かを伝えられればと考えています。 文字(漢字)は元々そのものの形を表していたといいます。普段、文字の形について意識する人はあまりいないと思います。 学習され脳にインプットされているようなものだと思います。だからこそ文字の形をモチーフに使うことは、見る人には文字と意識しなくても感覚的に伝わるのではないかと考えています。

今回の文字選択のテーマは、二面性。言葉のもつ裏表です。 私自身が、二面性があるせいか、人と話しをする時の言葉の使い方、伝え方、伝わり方、の難しさを感じているからです。 人に何かを伝える為には、伝える側と受け取る側の問題があります。同じ言葉でも違う風に受け取られたり、また同じ言葉を説明するのにも人によって選ぶ言葉が違うと思います。

私は作品において二面性を表すような対となる文字をモチーフとして、自分の中の2つの視点、表と裏というアプローチで制作を試みようと思いました。 また近年は見る人の感覚を促したく、リズムを意識した作品を制作しています。今回は4色の細長い作品を交互に並べて、見る人に形と色の文字がどのように伝わるのかを試みようと思いました。