塩崎 優 SHIOZAKI Yuu
【略歴】
1980 生まれ
2004 京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業
【個展】
2005 石田大成社ホール(京都)
2006 石田大成社カフェ ブランチ(京都)
2007 deem five mansion gallery(神戸)
【グループ展】
2003 「TARTAN CHECK」 / JK cafe(大阪)
2004 「主と客」 / 同時代ギャラリー(京都)
2005 「藝術家の線」 / 石田大成社ホール(京都)
2006 文椿ビルヂングギャラリー(京都)
2006 アートフリーマーケット / 京都文化博物館(京都)
2007 ギャラリー福山(東京)
2007 石田大成社ホール(京都)
ものや出来事が存在しているように見えるという事態は、言葉のようなものによって繋ぎ止められている現象のような気がしています。
それは時間が経つにつれて、流されるのか、とけゆくのか、ものごとと言葉のようなものを繋ぎ止める力が薄れていくように感じます。
そんなとき、それらの佇まいは私に、「好きなようにしていい」と許してくれている姿のように感じたりもします。
「もっとこうだったらいいのになぁ」の方が、私にとってはリアルに感じる時があります。
たとえば、ミシンが木に激突してたくさんの水滴がこぼれ落ちたり、それがおさまって静かな水面が現れたりするシーンですが、
それを描くのは、そこにそうあってくれることが私にとっては意味があるように感じるためです。
ゆっくりと確かなものが不確かになっていったり、見ず知らずの動作の残像がかすめゆく姿を思い浮かべながら、
確かなものの存在を信じきれない私と、「確かなものがない」ということは存在していると信じたい私の間で、バランスをとろうとしているのかもしれません。
身近なものにとっかかりを見つけてしまうのは、ずっと見ていたいものが、見失うほどの広大でも、光が届かないくらいの深遠でもなく、足元の浅い地面だからなのかもしれません。
塩崎 優