作品紹介1
[ もう一つの鏡:藝術交差 ] 展 場所:京都市国際交流会館
「もう一つの鏡」 2007 鏡枠、カーテン、モニター、霧の映像
壁に掛けてある鏡を覗いてみると、向こう側の壁にカーテンの掛かった部屋が見える。鏡の下にあるノブをゆっくり回すとだんだん霞がかかってゆき部屋が暗くなった。その次の瞬間風が吹きカーテンが開き鏡が現れる。そこには風に流れる霧が写しだされていた。
[ 京都文化祭典 / 美術館公園 ] 展 場所:京都市役所前広場
水と泡の中を歩く」 2006 透明ホース、塩ビミラー、空気入れ 270×150×300cm
美術館公園と名付けられた野外の一角に4つの作品が設置されている。その一つにカーテンのかかった建物があ る。カーテンを開けると空気を送るポンプが設けられており、その前に立ち止まるよう足跡が付いている。ポンプを上下させると、上から吊られた沢山の水の 入った透明チューブの下から泡が出てくる。さらに道の前に続いている足跡のとおりに進んでいくと、両側は鏡の壁でどこまでも水と泡の世界が続いているかの ように見える。それは、太陽の下、水の中にいるような、きらきらと光る雨の中にいるような感覚である。訪れた人が操作する事で作品は成り立ち、訪れた人々 は自ら作り上げた世界を通して、個々の想像の世界に入る。
個展 「静かな山」
2006 蝋漬けの木綿、LEDライト、モーター インスタレーション gallery neutron
黒い一面の壁に山の稜線を象った形を切り取り、そこを白い蝋漬けした布で覆って隆起させ、氷山の様に見せる。 壁の内側にはモーターが回転しており無数の穴の開いた黒い布を回転させている。その布の内側にはライトが設置されており、穴から漏れた光は上から下へと流 れ落ち、白い氷山を象った布に当たり、雪が降り落ちてくるように見える。その壁の裏側、もう一方の壁には青いビロードで覆われた湖の形の立体が設置されて いる。光の粒が下から上に上がっていくように光を当て、水が蒸発していくようにも見える。そしてそれはやがて雪になり氷山を作っている。
雪が何万年もの間降り積もり、自身の重さで凍り固まったものが海に流れて氷山となる。とても静かで美しい景色の内側は壮大で激しい過程を経て創られている。