作品紹介3
「先の他者の視線の先」 2005年
12×4.5×3.2mの空間に青い布テープ
斜視を使い部屋の中にある絵画が全て自分に対して正面に見える空間を発想の始点に、一箇所から目線の高さ150c m を視点にして視界の中心に正方形を認識する空間を制作。しかし正方形に見えない。プロジェクターのレンズと眼のレンズの違いに因るものかと思い、修正のた めにここにある黒い台紙を基軸に覗くと何故か正方形と大きな誤差があるわけではない。どうやら単眼であっても経験や知識が邪魔をして正方形の認識が困難に なっているようだ。詳しく言えば人間が立ったり動いたりする上で空間を認識するために視覚から情報を多く集める。そこに遠近を無視した正方形があるとそれ が妨げられる。ゆえに、脳は視覚情報を歪め、空間の情報を強調することを優先しているためであるとわかった。逆に目を細めることで視界をぼやけさせ、空間 の情報を減らせば、正方形が台紙無しでも認識できるようになり、正方形は床、壁、天井と剥離していて存在する。
そして、視点に立たない時に正方形は他者の視線のフレームなのだと気付く。
「輪を廻る 水辺の視線」 グループ展
『目の前を、聞く』 2005年
22×13cmアクリル板による外径3mの円に油彩
「間食の視線」 2005年
10×7×2cmのアクリル板による 直径21cmの立体に油彩
分割される21c m ホールという形状から想起された描写イメージ