【 プラスチック・ドリーム 】
2004年 / plastic mode
私が幼かった頃、一人で繰り返し同じ遊びをしていた。それは「小さなロボットの人形を沢山自分の目の前に並べて、それを動かさないでただ見つめる」という少し変わったものだった。 私は人形を手に持って戦わせるのではなく、頭の中のみで物語を作り上げ、空想で戦いをイメージしていたのだ。そういう遊びを繰り返すうちに、いつしか私の頭の中では各々の人形の全体像が個々に浮ぶのではなく、各々の印象の強いパーツのみが結合し、1 つのイメージの塊があらわれるようになった。
この作品は戦闘機、ロボット、機関車、城……。様々なプラモデルの断片を手当たり次第につなぎ合わせている。記憶の中で肥大化したイメージが異形のものとして具現化した。
プラモデルとは、人の憧れの念やイメージした世界を具現化してきた玩具である。「イメージ」や「思い」の世界を具現化してきたプラモデル。
具現化されたモノを観てイメージの世界を創りあげた自分。
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【 SURFACE 】
2005年 / trash
街で道行く人がポイ捨てしたゴミを一つ一つ拾い集めてきて、それをルイ・ヴィトンのモノグラム型に切り取り、壁、天井、床に貼っていった。
また、関連イベントとしてパフォーマンスも行った。これも、町中に落ちているゴミをその場で切り抜いて壁や地面に貼っていくというもの。
その時にはルイ・ヴィトンのモノグラムではなく、シャネルのマークで行った。
タイトルにもある「SURFACE」とは「表面」や「表層」など様々な意味はあるが、あえて和訳するなら「上っ面」が正しいと思う。
この作品はLouis Vuitton、Chanelに向けてのアンチテーゼではない。
それらを消費している人、その中でもとりわけ日本人に向けての批判である。
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【 SURFACE -performance- 】
2005年 / trash
大阪の御堂筋にある高級ブランド街。私はそこでスーツを着て、白い手袋をはめる。
町中にポイ捨てされたゴミを拾い、その場でそのゴミをシャネルのロゴマークに切り抜く。
そしてそのゴミのシャネルロゴを様々なブランド店の壁や、目の前の道路、公共物に貼っていく。
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